中華オシロスコープを調べてみる 2020
ウィンドウショッピングの気持ちで10万以下の中華オシロスコープを調べてみる.
調査対象
- 100MHzくらいの帯域を持っていそうな最近のオシロスコープ (=1GSa/sくらい欲しい)
- 10万以下程度
- 個人でも買いやすいルートがある前提
- USBタイプもたくさんあるがここではベンチトップタイプに絞る.
資料
※DPOはテクトロの商標らしい
- Siglent→「SPO(Super-Phosphor Oscilloscope)技術」
- RIGOL→「可変残光時間表示」
とある程度記事を書いてみて,海外掲示板にいい感じのスプレッドシートがあったので機種数ベースならそれを見るのが最適かも.
Siglent
Aglinet(現在Keysight)を意識した名前.テレダイン・レクロイという有名な計測機器メーカーの低価格機のラインナップのOEMもしているそう. あんまり日本語情報は出てこないが単に知名度の問題ではとも思う.
Siglent本社の公式販売代理店は アドウィンオンラインショップ | 工業系教材・ツールの通販サイト っぽい→ソース
それとは別にシグレントジャパンが存在し,そちらの認定代理店がある.サポートが分かれる.→インターネット販売に関する注意 !! | Siglent Japan
以下の価格やオプションはadwinshopによる.
SDS1000X-Eシリーズ
2chモデル
4chモデル
- SDS1104X-E (100MHz,6.9万円) / SDS1204X-E(200MHz,10万円)
ほか低価格シリーズ
- SDS1000DL+ シリーズ 3.9万円
- 50MHz帯域 500MSa/s 以下略 信号デコード・SPOなし
- SDS1000CML+ シリーズ 4.5~6.3万円
- 70~150MHz 1GSa/s 以下略 信号デコード・SPOなし
RIGOL
低価格帯を中心にバグが多いという噂をよく目にする.DS1054Zが結構有名そんなにアレしたいんか?.
直販サイトが開かれている.以下の価格は直販サイトによるもの.
DS1000Zシリーズ
- 帯域バリエーション
- 50MHz 56900円
- 70MHz 77880円
- 100MHz 86680円
- 信号生成器オプションアリ(本体裏側から信号を取り出せる 25MHz)
共通
- 4ch 入力
- 1Gsa/s
- ただし2chで500MSa/s.3,4ch分測定するときは250MSa/s.
- メモリ長 24Mpts ※これをchごとに分け合う
- 更新レート 30,000 wfms/s
- 信号解析 RS232 / UART, I2C, SPI
余談:信号デコード機能やメモリ長ロック解除等はオプション扱いだったが今は標準搭載のよう.
DS1000Z-Eシリーズ
DS1000Zを2chにして帯域を200Mhzにしたものかな.56980円.
OWON
小型なもの(半分おもちゃ)から大規模なものまで色々取り扱ってる.ものにもよるが他と比べて安め.
同じく輸入販売の代理店とOWON JAPANでサポートが分かれる.
Global Corporation | Lilliput (OWON) → 有限会社エス・シー・エス オシロスコープ
OWONJAPAN インターネット販売に関する注意 !! | owonjapan
以下の価格はSCSのYahooストアでの価格.オプションの同梱・非同梱はそこでの商品ページに準拠.
SDS1000 シリーズ
とても安価(SDS1102: 2ch 100MHz 1GSa/s で3万以下)だが,めぼしい機能はない.
SDS-E シリーズ
30MHz 500MS/s ~ 125MHz 1GS/s,100MH未満は3万円代.100,125MHzは~6万円代.とくにそそられる機能はない.薄いらしい.
SmartDS シリーズ
60MHz 500Ms/s 4万 ~ 300MHz 3.2Gs/s 17万(!!)とかなり幅のあるシリーズ.しかし電子工作としてそそられる機能はない. 上のSDS-EもそうだがLAN経由でコントロールできるのをたくさん設置する治具的な用途なんだろうか.DPO的な階調表示機能も無い.
XDS2000 シリーズ
OWON XDS2000 Series 2CH Decoding Economical Digital Oscilloscope
- XDS2102A 5万 のみ.12bit ADCを積んでいるのが特徴.
ちなみに1mV/divが最低レンジで,その時のノイズフロアは3メモリ(0.3mVpp?)以下・・・らしい.
XDS3000 シリーズ
なんで同じシリーズなんだってくらい仕様がバラバラなのでかいつまむ感じで.
- XDS3102A 7万
XDS3000-E シリーズ
同じくバリエーションが多すぎるので少しだけ.14bit ADCを搭載する機種があるシリーズ.
- XDS3104AE 10万
その他中華
タブレットのやつ
aliexpressとか見に行くと「1013D」という型番でタブレット型のオシロスコープがゴロゴロ出てくる.1.5万円程度.
FNIRSI-1013D 2 Channels 100MHz Band Width 1GSa/s Sampling Rate Oscilloscope with 7 Inch Color TFT LCD Touch Screen
とのことだが,おそらく中身は100MSa/sのADCとのこと. 挙動も動画を見ている限り少し怪しい・・・怪しくない? www.youtube.com
Keysight
比較用に.
EDUX1002A 6.8万円
EDUX1052A 7万円
DSOX1202A 9.6万
Tektronix
比較用に.
所感
- XDS3000,スペック見ると凄いな~と思ったけど,動画見ると残念ポイントも散見されるよう.
- 5~10万は各社狙い目のレンジのよう.これぞ!というのはなかなか無い.
- RIGOL DS1054Z (5.7万) 買うなら Siglent SDS1104X-E (6.9万)かなぁ・・・とか.
- 2chで良ければ OWON XDS2102A(5万)も良さそうである.12bitだし.
- Keysightのはメモリちょっと抑えだけどキビキビ動くらしい.
- 波形生成機能は内蔵しているものもある.ロジアナオプションはたいていプローブが高い.
- まあなんとな~く欲しいときと,目的ありきで買いたい場合は別よね・・・この記事は前者の視点.
なんとなくこいつらかな~と調べがついたら,YouTubeで調べて操作感とかを調べるのが良さそう.
もう少し上を見てみる
RIGOL の MSO5000 シリーズも人気のよう?.
- MSO5074,国内だと14万.Aliで直販だと11万
- おきらく電子工作には過剰スペックだがコスパは良さそう.上位モデルとハードウェア構成が同じだとか
- ただ少し動きが思いという意見も.
同じく,SIGLENT のSDS2000X+シリーズも色んな意味で穴場らしいが・・・?
- SDS2104X+,国内だと17万・・・・・・.
おまけ
自分の持ってるオンボロオシロ(なんと自分より歳上である)
- HP 54610B (ヤフオクで1万くらいだった)
えっ…ワイの持ってるオシロスコープにテトリス機能あるんだが pic.twitter.com/pjCstsMQ5y
— かでん (@2_sac) 2020年8月8日