kdenologue

たまに何か作ります。

HTC LINKを知ろう④ トラッキングシステム

今回はちょっと脇道にそれて,HTC LINKのトラッキング感を軽くレビューします.

HTC LINKを知ろう① 通常利用編 - kdenologue

HTC LINKを知ろう② 周辺機器分解編 - kdenologue

HTC LINKを知ろう③ HMD本体分解編 - kdenologue

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FullBodyTracking(大嘘)

ゲームを持ってない&インストールできないので,6DoFらしい6DoFを体験することは最早できない・・・! のでそこはご容赦.

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前提として,外部にステレオカメラを設置して,そのカメラからコントローラーと頭の位置を追跡するOutside-Inな方式が取られている.これをもう少し詳しくしていく.

HMD

HMDには追跡用のマーカーとスマホが接続している.が,マーカー内部に加速度センサのような部品は見当たらなかった.

・・・ので,マーカーをHMD本体に固定せずに動かしてみた.

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本質的HMDHMD側に無線用回路は入っていません

あくまで背景が平面画像のホーム画面での検証だが本体の角度とマーカー角度等を別々に動かして,次のように動いていると判明.

  • 回転運動は全てHMDの情報に由来し,マーカーは関係ない.
  • 並進移動(実際に確認できるのは背景が動かないのでコントローラとの相互位置関係の変化)は全てマーカーの情報に由来し,本体は関係ない.

それに,ホームの背景を動かさないというのは,6DoFを生かさないだけでなく「HMDつけて起動した瞬間VR酔い」となりうる悪手ではなかろうか.

マーカーで6DoFまでやってくれるとHW構成的にはスッキリするけど,快適度とかそもそものモバイルVRの流れ(Cardboard等)を汲むとやはりそうなるのかなぁ.

コントローラー

コントローラー側は当然位置と回転の両方を単体で取得している.

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黄丸がモデル回転中心

持って色々と動かしてみた所感は「微妙」.なんだろう,もちろん6DoFにはなっているのだけど追従性は低くコントローラーの姿勢もいまいち現実と一致していない.

例えば,コントローラーを持った腕をふりあげると,回転が先に反映されて少し遅れて位置が反映されるような.そのときのモデルの表示は腕ではなくモデルの座標を中心とした回転になるので,位置と回転のデータがずれている時には姿勢の不一致が起きる.

ちなみに外部と連携するのは位置トラッキング1点だけなので,回転は誤差が積算されるはずだが1,2分使っている間は特に気にならなかった.このあたりはDayDreamとかと同じだろう.

(PSVRやったこと無いのだけどどうなんだろう・・・)

まとめ

前回か前々回かに「ポテンシャルはあったのかもしれない」的なことを書いては見たが,実際に6DOF VRですって言われてこれを見せられたら残念な気持ちになるような気はした.

実装もスマートなのかな思いきや少し泥臭い香りを感じた気もするが,まあ今更このHMDでどうこうしたいつもりもないのでこれくらいで.

追記

どうやらそっくりなSDKがあるらしい.なるほど?