kdenologue

たまに何か作ります。

Type-C入力対応ハンダゴテ Pinecil 買ってみた

こいつをもう少し詳しく紹介します。

買う前

自宅用にもう少し使いやすいハンダゴテ欲しいな~とブラブラしていて見つけたPinecilハンダゴテ。この手の、USBハンダゴテのアップデートみたいな系譜だとTS100とTS80/TS80Pが有名だと思う。それらのいいとこ取りをしたようなスペックに惹かれて購入。

TS100は微妙に高いのと、Type-Cが設定用にしか使えなくて結局DC5525ジャックで給電するしか無い。一方でアップデート版とされているTS80はType-C(QC3.0)給電に対応しているものの18W (or 30W?)出力と少々不安になるパワーであるのと、小手先が独自形状すぎるのが難点。独自形状っていうか3.5mmオーディオジャックそのものは超メジャーなんだけど、「それコテ先に使いっちゃいます?」みたいな気持ちもある。

その点、PinecilはType-C経由のUSB-PDとQC3.0入力と5525ジャックの両方に対応していて、かつコテ先はTS100互換(のはず)。TS100自体はHAKKOのT12シリーズ交換こて先を切り詰めたような形状をしていて、少なくともソケット的には互換性がある。加えて、T12コテ先を使えるようにするMODもTS100向けには見られる。しかも本体は25$というね。

Wikiはこれ。回路図やPCBのデザインまで公開されているオープンっぷりで素敵。

Pinecil - PINE64

ファームウェアは「IronOS」と呼ばれているらしい。TS100やTS80のカスタムファームウェアが基となっているのかな。

github.com

pine64.com

人気商品のようで良く在庫切れを起こしているらしい。自分はPinePowerと一緒に速達(30$…)で購入。コテ先は、一緒に販売しているセットでも悪くなくて、特にFineのほうはデフォルトのTS-B2よりも細めなのが入っていて良い。あと、やはり安い。ただ、今回はAliexpressでTS100向けのコテ先のセットが安売りしていたのでバリエーションの多さを選んだ。コテ先はまだ届いていない。

ja.aliexpress.com

手に入れてみて

本体

  • 筐体はプラスチックで軽い。
    • ケーブルに釣られる感じがあるのでもう少し重くても良いかも、とは思った。
    • USB2.0でいいので細くて柔軟なケーブルを買うのが良さそう。シリコンケーブルとか?
  • DC5525はあんまり使い勝手よくなさそう。5521からの変換アダプターを買えば秋月とかで買った12Vとかの電源アダプター使えて幸せになれそう。
    • DC動作電圧は12V~24Vとなっている。
    • 24Vとなっているが,推奨は~21V.なぜなら電源ラインに繋がっている部品の定格が~21V,最大絶対定格が28Vと微妙な位置にあるから.
  • コテ台は買わなかったけど手持ちのgootのST-27がいい感じに使いまわせそうなのでそれで。
  • ホールド感は特別良いってわけでもないかな・・・普通?
    • 液晶の面が手前になるように右手で持つと親指が液晶面にくるはず。もう少しRがゆるいほうが好みかな。

加熱とか温度とか

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  • 60WのUSB-PD電源だと320℃まで20秒くらい。十分早い。
    • 加熱時の本体のOLEDの表示は50W /20V入力
    • というかリアルタイムでW表示もしてくれるの親切すぎる。
      • どうやって取得しているんだ?
    • このW表示、途中で挟んだKT001で見る値と差は多くて10%くらいかな。大体あってそう。
  • 45Wの電源につないら320℃まで30秒くらい。表示は28Wくらい(15V入力)
    • この差はなんなんだろう、シンプルに電圧低いと電流流れにくいってだけかな。
    • PDOパケット見るとちゃんと15V3Aで出力要求出してるけどな。
  • 65Wと書いてあるが、PDだと上記のように加熱時に50Wってところかな。DCジャック入力だともう少し上がるのかな。
    • 5525に対応する口を持っていないので確認できない。
    • 追記: 購入して安定化電源から引いてみたり電圧変えてみたりした.元々コテ先が8Ωくらいの抵抗を持っているので,15Vだと1.9A程度というのはそれはそう.スペック上限の65W出すには23V/2.8Aくらいの電源につないであげれば良いことになる.
  • 保温時は5~10Wくらいを示していて、たしかに基板のランドとかに当てると20Wくらいに増える気がする。
    • 温度管理してる感が見えて良い。
  • コテ先の温度は100℃とか400℃とか1℃刻み設定できる。
    • 安定性はよくわからない。精度もコテ先温度計を持っていないので不明。
    • K型熱電対+OWON B35で頑張って測ってみる感じ設定よりもだいぶ高い温度が出ているように見える。
  • gootの70W温調ハンダゴテPX-201と比較。
    • コテ先温度はPinecilと共に↑の熱電対読みで320~350℃くらいになるよう調整。
      • なおこのときPinecilの設定温度は250℃である・・・70℃もずれていることになるが・・・・。
    • 昔加熱に苦労した基板を再加熱する感じで比較。
    • PX-201では溶けにくかった箇所もPinecilでは比較するとすんなり溶ける印象がある。
      • 少なくとも作業性(熱容量的な?)で劣る感じはない。
      • Pinecilは温度ブースト機能があるし分優位かな。
    • ただまあコテ先も温度も違うのであくまで参考にということで。
      • 前述のように、「やけに溶けるなぁ!」と思っても温度が高いだけの可能性があるので比較するときは注意が必要かな。

追記: 2021-03-16 メモとして.

追記 2021-04-04

詳しく温度測りました

kden.hatenablog.com

電源

  • USB-PDで動いたのは前述の通り。
  • QC3.0(最大12V1.5A)のスマフォ付属の電源アダプタとかでもちゃんと動いた。
    • 相性もあると思うけどUSB接続してから暫く待たないと電圧設定が変わらないっぽい。
  • QC3.0とUSB-PD両方対応のType-Cコネクタから接続していると、どっちで給電されているかぱっ見みわからないっていう問題がまれに起こりうる。
    • QCの場合はUSB接続して最初5V表示→コンセントのプラグが表示されて→QCの設定に応じた電圧(12Vとか)になるのことで判断可能。
    • PDの場合はUSB接続した瞬間にPDOのやりとりが完了するので、即電圧が高い状態になる。
    • PDのはずなのにコンセントマークから変わらないみたいな場合はUSBケーブルの裏表を変えると直ったりする
    • PDとQCを共存させてはいけない…しかしその中そうではないことが多い…

その他機能

  • 加速度センサが入っていて自動スリープしてくれる。スリープするまでの時間と、復帰へ反応する閾値を設定可能。
    • スリープ温度も設定できて、手で持つと自動で元の設定温度まで戻ってくれる。ありがたい。
  • ホールセンサによるスリープはFW的には対応しているけどセンサはまだ載ってない
  • 加熱モードに入るのは+ボタン短押し、抜けるのは-ボタン長押し、というのがちょっと慣れない
    • 加熱中のボタン短押しが温度変更モードになるのがな。ここを長押しにして加熱終了のほうを-ボタン短押しにするほうが自然な気がする・・・
  • ボタン2つで設定するのはまあ慣れれば結構いける。

モバイルバッテリーとかで使うなら、PDだけ対応というのはあんまりなさそう。QCと同居すると色々問題が起こりうるようなので、それなりに安心できそうなものを買うのが良いのかな。AnkerのPowerIQ 3.0 (Gen2)機能は良さそうである。

hanpenblog.com

動作確認をしたわけではないけど60WくらいのPowerIQ3.0 Gen2対応の電源とバッテリー↓

Anker PowerCore III 19200 60W

Anker PowerPort III 65W Pod


コストパフォーマンスは高そう。まだ実際に沢山はんだ付けはしていないので、長時間使ったときの安定性とかはまだわからない。温度もちょっと怪しい気はする。でもまあ、30$でこれだけ多機能高機能なんだから夢広がりまくりですな。そもそもUSB入力でマイコンと加速度センサが載ってるってだけでもなかなかモダンなのに、RISC-Vで動いていてファームウェアOSSなんだから、THE最先端。

注意としては、あくまで開発者向けの(コミュニティドリブンな)製品であるというのと、本体は25$だけど送料が10$~30$(DHL)がかかって、かつ(DHLだと?)消費税+その納税の代行にまで手数料が取られるので最終的に結構かかる・・・というところです。

補足: パッケージ開封してすぐ使える完成品とは違うからな! GitHubとかDiscordとかで絶賛議論・アップデート中だし(なんなら今買ってもホールセンサとか載ってないし)そこんところ勘違いしないでくれよな! (免責的なあれ)