kdenologue

たまに何か作ります。

HTC LINKを知ろう① 通常利用編

HTC社製のLINKというスマホと繋げて使うHMDがある.知らない人も多く,知る人ぞ知る製品である.

www.htc.com

その理由は以下の通り.

  • HTC U11にしか対応しない
  • SDKNDA締結後でないと使えない
    • コンテンツが皆無
  • 発売当初4万近く
    • (のわりに性能はスマホ本体のSD835に依存するので発熱等の問題がある)
  • 販売ルートは携帯電話キャリア(au/Softbank)のみ

挙句の果てにはすでにコンテンツのダウンロードに必要なViveport Mというサービスが停止している(2020/4/9停止)なので,スマホ本体の動画・画像鑑賞以外にやれることがまじでない.

ちなみに,上記サイトを引用すると「動き回れる世界唯一のモバイルVR端末」である. これは.PSVRのような方式でポジショントラッキングをするXimmerse社の技術を利用することで実現している. 多くの端末を簡易6DoF化できる手法として注目されていたがHTCが飼い殺しにしたという観点で一部の界隈から恨みを買っているらしい

そんな忌み子といっても過言ではないHTC LINKを入手したので紹介していきたい.

開封

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箱には「Full Body Tracking」とある.もちろん,頭と両手しかトラッキングしない. (今はFullBodyTrackingと言うと99%全身のポーズ推定の事を言うと思われるが当時はどうだったか・・・?)

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側面

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箱の天面を開けた様子

この箱(それぞれ奥行き30cm程度)を引っ張り出す.

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HMD本体開封

本体

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本体の登場.質感は・・・正直かなり安っぽい.いや,白い部分手触は結構しっとり感があっていいのだけど・・・ベルトとのつなぎをやわらかくするためか剛性感が皆無なのと,内側は肉抜き(?)が丸見えでとても悲しい.

フェイスクッションはスマホVRにありがちなスポンジだが,結構分厚い.顔にHMDをしっかり押し付けないと視野が合わない感じはある.

(ちなみに本体を分解するならここの全面のネジを1本取るだけで行けるという親切設計である.別の記事で紹介.

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IPD調整はなんと豪華な6段階! Quest2より細かく設定出来ますよ!! 設定範囲は60~75mmくらいかな.ちょっと広い印象.

周辺機器

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もう一つの箱は,周辺機器.6DoFの要,Ximmerse社のポジショントラッキング装置である.箱を開けると,3万の貫禄は感じられるのではなかろうか.

ちなみに付属の単4電池はPanasonic製とちょっとリッチである.箱にぴったり収まりすぎてて取り出すのに苦労した.

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接続するとこのようになる.ステレオカメラは,プレイエリアから1mくらい離したところに設置する.5V 400mAで動作するらしい(がAC-USB電源とかは付属していない)

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HTC U11に接続するとセットアップが始まる.

  1. HTCアカウントでログインを促される
  2. アプリのダウンロードが始まる
  3. LEDドングルとステレオカメラ(後述)を接続しろと言われる
  4. カメラから見て1.5mくらいのところまで言ってHMDを床に置くとセットアップ完了

初回はファームウェアアップデートが必要であった.ちなみにこのFWアップデート,LEDがめちゃくちゃ光って眩しい.あとトラッキングエリアの中心に置いてから開始するので邪魔.

gyazo.com

動かしてみる

ホーム画面はこのような感じ.

gyazo.com

格好いいでしょう? 感動のホーム画面ですよ.感動して.

ところでこれ,全部平面映像です.立体視できるのはコントローラーだけ・・・.2017年当時はともかく今からするとかなり残念ではなかろうか.Quest初代とSoC同じなのに.

また,コンテンツをダウンロードしようとしてもエラーが出る.サービス終了しているからね,しかたないね・・・.

画質は初代VIVEと同じ感じ.パネルの種類(OLED)と解像度(1200x1080)が同じなので,同じ部品なのでは?

近接センサーとかはない.

冒頭でも話したが,コンテンツがもう提供されていないのでゲーム一覧を虚しく眺めるか,本体に保存されている映像を見るかくらいしか使いみちが無いのである.

まとめ

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システム構成はこのような感じである.なるほど外部技術をそのまま取り込んでいるのかなという印象.

VIVEのパネルは流石に古すぎてすぐに世代落ちする気はするものの,対応機種とSDKを絞らなければ一定の地位は築けたのではなかろうか・・・そんなポテンシャルは感じられる.感じられたが,そうはいかなかった.

以上,前座でした.次回,分解編!